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  • 2019年9月11日

更新日:1月18日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.7」を発行しました。今回は

風が吹いただけで痛い!?「痛風」を予防しよう!」です。


痛風とはどんなもの?

足の親指の付け根が歩けないほど痛い!

血液検査で尿酸値が高く、関節の1か所が腫れて激しく痛む場合それは痛風かもしれません。発作24時間後が痛みのピークで、3〜7日ほど経過すると痛みが引いていきます。



痛風を引き起こす「尿酸」とは何か

尿酸とは、「プリン体」という物質が体内で分解されてできる物質です。人間の体は60兆個もの細胞から構成され、細胞の核には核酸という成分があります。この核酸は、細胞が新陳代謝を繰り返したり、エネルギーを使ったりしたときに、「プリン体」へと分解され、最終的に「尿酸」として尿や便に排泄されています。また、プリン体は食べ物からも体に取り入れられ、同様に尿酸に分解されて排泄されます。


1日に体内で作られる尿酸は、およそ700mgです。1日に排泄される量も700mgなので、体内の尿酸は常に一定量に保たれています。 体内の尿酸の収支が合わないとバランスが崩れて「高尿酸血症」になります。




高尿酸血症は全身に悪影響を及ぼす

高尿酸血症とは、尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態

高尿酸血症が持続すると尿酸が結晶化・沈着して全身で悪さをし、痛風発作の他に下記の症状が現れる原因になります。また、男性に圧倒的に多い病気で30代男性の3割は尿酸値が高いと言われています。




高尿酸血症を予防・改善するためには

高尿酸血症の発症は遺伝的要因が強いと言われていますが食事や運動などの生活習慣も関わります。



プリン体の多い食品を知ろう



まとめ

高尿酸血症の予防・改善には生活習慣の改善が非常に重要です。プリン体の少ない食品をなるべく選ぶようにすることや、食べ過ぎ・飲み過ぎに注意し、適度に体を動かして規則正しい生活を心がけましょう。




管理栄養士コラム

【血糖値を上げない麺類の食べ方】

ラーメン、そば、パスタなどランチで食べやすい麺類ですが、その際高血糖に注意が必要です。なぜなら麺類は、糖質量が多い・炭水化物単品食べ・早食いになりやすいと、血糖値を上げる三拍子がそろうからです。そのため、血糖値の急上昇を抑える工夫が大切です。




炭水化物単品食べ対策のキーワードは“カーボラスト”

糖質の多い麺類から食べ始めると高血糖を招くので、先に食物繊維を摂ることが大切です。しかし麺料理は単品食べになりやすく、先に野菜を食べられないことが多いです。その場合は、肉・魚を先に食べましょう。これらも先に食べることで、血糖値の急上昇を抑える効果があります(図1)。したがって、野菜に限らずチャーシュー等具材やトッピングの多いメニューを選び、先に食べて糖質(カーボ)を最後(ラスト)にしましょう。


図1
図1

最も注意すべきは 早食い

上記のような野菜・肉・魚等を先に食べる研究は、実は食事の食べ始めから糖質を食べるまでに15分かけています。つまり、順番を守っても早食いでは十分な効果が得られないことになります。高血糖を防ぐためにできる限りよく噛んで、先に肉や野菜などを15分かけて食べることを心がけましょう。

 


【血糖値を上げない麺類の食べ方 3原則】

①麺は3~5割残す

②肉や野菜を先に食べカーボラスト

③早食い注意

  • 2019年7月5日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.6」を発行しました。今回は「糖尿病性腎症から腎臓を守ろう!」です。


透析導入を防ぐ鍵は“尿中アルブミン”

糖尿病性腎症は網膜症、神経障害と並ぶ糖尿病三大合併症のひとつです。腎症は5期に分類され、ステージが進むほど腎機能は不可逆的で、最後は透析導入となります。それを防ぐために当院では腎機能検査として、3か月に1回尿検査を行っています。尿検査では、“尿中アルブミン”という腎症の指標となるタンパク質が、尿にどの程度出ているかを調べます。




透析導入の原因第一位!!

透析導入患者は年間約38,000人で、糖尿病性腎症は、原因疾患の1位であり、約16,000人と全体の42%を占めています。また透析導入後は、感染症・心不全・悪性腫瘍の死亡率が高く、治療であるにも関わらず体に大きな負担をかけていることがわかります。


透析導入患者の主要原疾患の割合推移
透析導入患者の主要原疾患の割合推移

腎症発症を高める意外な原因

糖尿病性腎症は、高齢や尿アルブミンの存在で発症リスクが高まります。また、腎臓と一見関係がないように思える喫煙、脂質異常症、歯周病、高血圧もリスクを高めるのです。

ですから、透析にならないように生活習慣の改善を心がけましょう。




突然死を招く静かな血液の異常 血糖値スパイク

血糖値スパイク

食後の短時間に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」は

日本人の1,400万人以上に発症しているといわれています。空腹で行う健康診断で「血糖値は正常」「糖尿病ではありません」といわれている方でも、食後に血糖値スパイクを起こし、血管を傷つけている可能性があるのです。


密かに血管をむしばむ血糖値スパイクが続くと、心血管病になるリスクは1.9倍、がんは1.6倍、認知症は1.5倍といわれています(図1)。そのため早期に発見し対処することが大切です。



血糖値スパイクになりやすい人

3個 以上当てはまる方は、要注意です!


血糖値スパイクを防ぐポイント



血糖値を急上昇させない!お菓子の上手な選び方

お菓子には、和菓子、洋菓子、スナック菓子、チョコレート菓子などがあります。これらのお菓子は、主に糖質を多く含む食材で作られています。

 

和菓子→もち米、うるち米、砂糖

洋菓子→小麦粉、砂糖、果物

スナック菓子→じゃがいも、とうもろこし

チョコレート菓子→砂糖、小麦粉

 

上記の食材には糖質が多く含まれており、血糖値を上げる原因になります。下の図のように、糖質はたんぱく質や脂質に比べて血糖値を短時間で上昇させ、糖尿病を発症するリスクを高めます。




糖尿病の方は血糖コントロールの悪化を引き起こし、網膜症や腎症、神経障害という3大合併症に繋がりますので、糖質の少ないお菓子を選び、血糖値の急上昇を抑えましょう。




お菓子の糖質量徹底比較!



<お菓子を食べるときのポイント>

・間食としてではなく、食事の一環として食べる

・お菓子を食べるときは、食事での糖質量を減らす

・糖質量をチェックして、なるべく低いものを選ぶ

  • 2018年12月17日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.5」を発行しました。今回は「からだに良い“あぶら”・悪い“あぶら”」です。


第4回銀座ヘルスケアトーク開催

11月17日(土)に、日本調剤銀座泰明薬局にて、第4回銀座ヘルスケアトークを日本調剤銀座泰明薬局と共同開催致しました。秋晴れに恵まれ、約25名と多くの方々にご参加いただきました。第4回目の今回は、日本調剤銀座泰明薬局の増田管理栄養士より「インフルエンザに負けない身体を作ろう!」、当院の堀越管理栄養士より「からだに良い“あぶら”・悪い“あぶら”」の2つのテーマについてお話し致しました。



気づかぬ間にとってしまう“あぶら”

あぶらは、体のエネルギー源となり、さらには細胞やホルモンをつくる際の材料となる大切な栄養素であり、決して悪いものではありません。ただ、最新の調査によると20歳以上の約3割の方があぶらをとりすぎているという結果がでており、あぶらの過剰摂取が問題視されています。あぶらをとる上で気をつけなければいけないのは、です。あぶらの質は含まれる脂肪酸によって分けられ、からだに悪いあぶらとされているのが飽和脂肪酸・トランス脂肪酸、からだに良いあぶらとされているのが不飽和脂肪酸です



現代人の食生活に蔓延るからだに悪い“あぶら”

飽和脂肪酸・トランス脂肪酸は肉の脂身、バター等の動物性食品やカレーのルウ、ショートケーキ等の加工食品に多く含まれるものです。これらを過剰摂取すると、血管を詰まらせ心臓・脳血管疾患の原因となり、突然死のリスクを高めてしまいます。そのため、肉を食べる時は鶏肉や脂身の少ない赤身肉を選ぶ、からだに悪いあぶらを含む食品を重ねてとらない等、意識して控えることが大切になります。


<からだに悪いあぶらの多い食品>

・肉の脂身 ・ウィンナー ・フライドポテト  ・バター  

・チーズ  ・マーガリン ・インスタントラーメン ・ポテトチップス

・クッキー ・菓子パン ・市販カレーのルウ ・ショートケーキ 等々


血液サラサラに効果抜群なからだに良い“あぶら”

一方でオリーブオイル、魚油、あまに油、えごま油に多く含まれる不飽和脂肪酸は、積極的にとることで様々な効果が期待できます。


【オリーブオイルの効果】

●悪玉コレステロール低下

●心臓、脳血管疾患予防

●血糖値の上昇を抑制


 図1はパンと油の組み合わせによる血糖変動を調べた実験です。他のあぶらよりオリーブオイルをつけて食べたときが最も血糖値の上昇を抑えることができることがわかります。有効成分は加熱に強く炒め物に使うことがオススメです。1日小さじ1杯を目安にしましょう。


【魚油の効果】

●中性脂肪、悪玉コレステロール低下

●脳機能改善

●心臓、脳血管疾患予防



図2 Hirai A.et al.Lancet 1980;2;1132-3平井愛山. 日本内科学会雑誌 1985;74:13-20 より改変
図2 Hirai A.et al.Lancet 1980;2;1132-3平井愛山. 日本内科学会雑誌 1985;74:13-20 より改変

図2の調査では、魚の摂取量の多い漁業地域では、摂取量の少ない農業地域に比べて、虚血性心疾患・脳血管障害による死亡率がともに低いことがわかります。よって1日1回は魚料理を食事に取り入れるよう意識しましょう。具体的には脂がのっているまぐろのトロ等の刺身、青魚、さば缶が良いです。


【あまに油・えごま油の効果】

●中性脂肪、悪玉コレステロール低下

●心臓、脳血管疾患予防

●高血圧予防


これらは、加熱すると有効成分を損ねてしまうので、生でとることをおすすめします。サラダや納豆、ヨーグルト等に小さじ1杯をかけて召し上がってみてください。

 

<まとめ>

とるあぶらの質を意識するだけで、疾患予防にも突然死のリスクを高める原因にもなるのです。霜降り肉やフライドポテト等、目の前の美味しさに気を取られていると、血管にダメージを与え続けてしまいます。悪いあぶらを極力控え、良いあぶらを毎日の食卓に取り入れ、上手に付き合っていきましょう。




臨床検査技師コラム


糖尿病の精密検査“ブドウ糖負荷検査”

健康診断で「糖尿病の気(け)がある」「糖尿病ではないが予備軍」と言われた方は、いつ糖尿病を発症してもおかしくありません。この様な方はブドウ糖負荷検査を行い、血糖値とインスリン値の推移から、膵臓がしっかり機能しているかをチェックすることが大切です。


ブドウ糖負荷検査とは

 ・ 糖尿病型、糖尿病予備軍、正常型の診断ができる

 ・ 膵臓のインスリン分泌機能が分かる

 ・ 結果からきめ細やかな糖質制限の指導を受けることができる

  ※明らかな糖尿病の方は高血糖リスクがあるため検査ができません

   ( 検査施行前に診察が必要)



寒い冬!簡単な運動から始めてみませんか?

冬は運動不足になりがちです。また忘年会や新年会などのイベントも控えています。その前に運動を始めて、体重を増やさないようにしましょう。今回は、簡単に始められる運動をご紹介します。


①普段の活動量を増やす

つま先立ちで家事をしたり、電車・バスでは座らずに立ったり、移動ではエレベーターを使わず階段を使うなどがあります。


②かかと上げ下げ運動

立ってかかとを上げ下げするだけです。(立って行うのが大変な方は、椅子に座ったままでも良いです)

目安:1日30回


③ラジオ体操

第一体操のみなら約3分、第二体操も行うと約6分の運動ができます。



ラジオ体操の期待できる効果

血圧や血糖値上昇の予防

・柔軟性の向上

・骨密度の低下予防

・肩こり、腰痛の予防・緩和

ラジオ体操は、即効性のあるものではなく、毎日継続することで体全体の血流が良くなり、症状が緩和される効果が期待できます。




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