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​日本循環器学会認定
​循環器専門医

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●冬の脳の血管の病気はこう予防しよう

冬の寒さが続いています。脳の血管の病気に十分注意してください。

『冬の脳の血管の病気』と聞いて、「そんなこと知っているよ」と思った人も多いと思いますが、そんな声に負けず私が注意を呼びかけるのは、脳血管疾患は寝たきりの原因1位であり、本人の生活の質QOLもガラリとかえてしまうからです。

そして、若い人も油断できません。某TV局の女子アナウンサーも34歳のときに、冬場に脳卒中を引き起こしています。長嶋茂雄さんやタレントの麻木久仁子さん、元横綱・大鵬さんも冬場に脳卒中を起こしています。最近では元日本代表のラモス瑠偉さんのニュースも飛び込んできました。

脳血管疾患の基本知識と、その予防法について分かりやすく解説します。

「初期症状の段階で治療!」これが突然死の予防です

血糖値スパイクは別名、食後高血糖ともいい、その名の通り、食後数時間以内にのみ、血糖値が急上昇する病気です。

健診や人間ドックではかる食前血糖は正常範囲の人にも起こります。

血管が詰まるケースでは、

1:手と足の力が入らない

2:手と足がしびれる

3:一時的に目が見えなくなる

4:ろれつが回らない、言葉が出てこない

が初期に現れます。

そのため、モノにつまづきやすくなったり、片方の足を引きずって歩くといった症状が起きます。

こうした症状は20分以内に消えてしまう一過性の場合もあり、「医者にかかろう」とか「病院に連れて行こう」と考えないこともしばしばありますが、それは間違いです。

医師の立場としては、この状態で内科や脳神経外科に行くことをおすすめします。

 

一方、脳の血管が破れて出血するときの前触れは、激しい頭痛やけいれんなどがあります。また、血管が詰まったときに起きる手足の異常は、血管が破れたときにも起きます。

 

こうした症状を放置しておくと、症状が強くなります。

それでも治療を開始しないと、救急車を呼んでも間に合わないことがあります。

つまり、突然死してしまいます。

​普段の生活を見直そう

突然死と聞くと、突然起きるような印象を持つかもしれませんが、脳の血管の病気は徐々に悪化していきます。

そこで、普段の生活を見直すことが重要です。

脳の血管の病気の最も大きな原因は、高血圧です。適度な運動と塩分摂取量を抑えた食事ほど効果的な予防策は

ありません。

また、既に高血圧と長いお付き合いになっている人は、生活環境も見直してください。冬場は、お風呂に入る前に

浴室を十分暖めておいてください。

ヒートショックという言葉を聞いたことがあると思いますが、暖かい部屋から急に気温が低い場所に移ると、

高血圧がさらに悪化して脳の血管に異常をきたすのです。

​血圧測定は寝る前と目覚めたときの1日2回を習慣に​

また、40歳を過ぎたら、自宅での血圧測定の習慣を身に付けてください。「自分の血圧」を知ることが、脳の血管の

病気予防の第1歩です。

 血圧測定には、「モーニングサージ」があるかどうかを探る目的もあります。

モーニングサージとは、夜と朝の血圧の差が55mmHg以上ある人のことで、脳の血管の病気を引き起こすリスクが高いと

いわれています。

ですので血圧測定は、夜寝る前と、朝目覚めてすぐの1日2回計測してください。

●脳梗塞の基礎知識

脳の血管の病気のうち、血管が詰まってその先に血液が行き渡らずに、細胞の一部が壊死する病気を脳梗塞といいます。

脳梗塞は「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つに分かれます。

どのタイプの脳梗塞か診断されると、それによって治療が異なります。

ラクナ梗塞とアテローム血栓性梗塞は、抗血小板薬が処方されます。

心原性脳梗塞では、血液をさらさらにする抗凝固薬を服用することになります。

脳梗塞が悪化する可能性が高いと判断された場合、超急性期の場合には、発症4.5時間以内であれば

「t-PA」という強い薬を使います。

この治療法は血栓溶解療法といい、文字通り、血管に詰まっているかたまり「血栓」を溶かしていくのです。

「t-PA」でも間に合わないと判断されると、カテーテルを用いた治療になります。

これはカテーテルという細い管を使って、物理的に血栓を取り除くのです。 

かなり大きな治療とえいます。

脳梗塞とクモ膜下出血の基礎知識​​

脳出血もクモ膜下出血も、脳内の血管が破けて出血している点では同じです。

脳出血は細い血管が破れたときの病名で、クモ膜下出血は動脈という太い血管にできた瘤(こぶ)が破裂したときの病名です。瘤のことを動脈瘤といいます。

 クモ膜下出血の死亡率は30%~50%で、とても危険な病気のひとつです。

なので発症したら「ためらわず救急車を呼ぶ」ということになるのですが、本人は電話を使うことすら難しいかもしれません。

というのは、クモ膜下出血の症状は、「人生で最も強い頭痛」であり「バットで頭を殴られたような痛み」が走るからです。

また言葉を発することもできないことがほとんどなので、周囲に誰もいない場合、そのまま誰にも気付かれず亡くなっている

こともあります。

脳出血とクモ膜下出血の治療は、脳神経外科で行います。

動脈瘤にコイルを詰める「コイル塞栓術」はカテーテルで可能ですが、これが不可能なほど症状が重いと、

開頭することになります。脳の血管に直接アクセスして、動脈瘤をクリップで留めるのです。

これを開頭動脈瘤クリッピング術といいます。

生活の見直しで病気のリスクを減らそう

脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の恐さがご理解いただけたでしょうか。

そして悪化すればするほど、治療が大掛かりになり、死亡リスクが高まるだけでなく後遺症も重くなります。

そうならないために、冬の対策が欠かせないのです。ぜひこの機会に、生活全般を見直してみてください。

​この様な症状があれば要注意!
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