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  • 2020年9月26日

更新日:2025年2月13日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.10」を発行しました。今回は「免疫力アップ特集~新型コロナウイルスに負けない体を作ろう~」と「脱水症は脳梗塞の引き金になる!」です。是非ご覧ください。


免疫力アップ特集~新型コロナウイルスに負けない体を作ろう~


免疫力は年齢とともに落ちる

新型コロナウイルス感染が続き、国内外で多くの感染者・死者がでているため、手洗い・うがい・アルコール消毒等の感染予防は必須です。細菌やウイルス等を撃退する免疫力は年齢とともに低下していくので、自己免疫能力を高めることも重要です。


ストレスと免疫・糖尿病の関係

外出自粛や仕事、人間関係でストレスが溜まっている方が多いと思われます。強いストレスが持続すると白血球中のリンパ球や細胞の働きが弱まり、免疫機能が低下します。またストレスによりコルチゾールというホルモンが分泌され、高血糖を招きやすいです。つまり、免疫・糖尿病にとってストレスは敵といえるのです。


野菜の抗酸化力 「フィトケミカル」

免疫力を高めるには、ストレスなどによって増える活性酸素を取り除く強い抗酸化力のある食品を摂ることをおすすめします。ある種の野菜に含まれる色、香り、辛み、苦み成分の「フィトケミカル」は、強い抗酸化作用を持っています。また、野菜の皮に多く含まれていることも知られています。さらには、細かく刻む・すりおろすことで、効率的に摂取できます。このように、野菜の選び方・調理法を工夫して、より多くのフィトケミカルを摂れるように意識しましょう。また、野菜の抗酸化力を示す指標があります。図2をみると、モロヘイヤやブロッコリーなど色の濃い野菜が多いことがわかります。下記のポイントを参考に、多くの野菜をバランスよく摂って、免疫力を高めましょう。



【ポイント】

 色の濃い緑黄色野菜…モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー

 辛み・香りの強い香味野菜…ネギ、玉ねぎ、にんにく

 皮は剥かずに丸ごと…なす、にんじん

 刻む・すりおろすなど細かく調理…大根、キャベツ


免疫のカギは腸にあり!

免疫細胞の約7割は、腸にあると言われています。腸内細菌は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌(優勢な菌と同じ働きをする菌)7割で構成されており、そのバランスが保たれた状態で最も免疫細胞が活性化されます。しかし60歳前後から、善玉菌は減少し、悪玉菌は増加します。その結果、免疫力が低下します。したがって、免疫力を高めるためには腸内環境を整えることが重要です。



善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす

<オートミール×ヨーグルト>

食物繊維は善玉菌のエサになるため、元々腸内にある善玉菌を増やします。オートミールは

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれており、便通が改善され、血糖値を上げにくくする働きもあります。そして、ヨーグルトに含まれている乳酸菌は善玉菌の一種なので、直接腸内に届くと善玉菌が増え、腸内環境が整います。また、腸にたどり着く前に死んでしまう菌もありますが、死滅しても善玉菌のエサとなったり、免疫調節機能は残るといわれています。そのため善玉菌を増やすには、食物繊維と乳酸菌、この2つを同時に摂ると効果的です。ぜひ一度、オートミールとヨーグルトを2週間続けて免疫力が変わるか試してみて下さい。


<グルコン酸が豊富な酢>

酢に含まれているグルコン酸は、善玉菌であるビフィズス菌を増殖させる機能があります。また、善玉菌が乳酸や酢酸を作ることで腸内をpH5~7の酸性環境にし、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌が優勢になります。しかし図4のとおり、摂取をやめるとすぐに善玉菌が減少してしまうので、継続して摂取することが重要です。酢の中でも特に効果が期待できるのは黒酢です。黒酢にはグルコン酸が最も多く含まれていて、口当たりがよくまろやかなので継続して摂取するのにおすすめです。


これらの食品を意識して腸内環境を整え、感染症に負けない体にしていきましょう!



脱水症は脳梗塞の引き金になる!

残暑が続いていますが、ご体調は如何でしょうか。

まだまだ脱水症に気をつけなければいけない時期です!

今回はなぜ脱水症が起こるのか、脱水症の危険性とその対策についてお話していきます。





脱水症とは

脱水症とは、体液が失われ身体にとって不可欠な水分と電解質(特にナトリウム)が不足している状態です。水分不足からくる頭痛や尿が極端に少なくなるとった症状がみられ、季節を問わず起こりやすいです。


脱水症の危険性

水分不足になることで血液がドロドロになって流れにくくなり、血栓という血の塊ができやすい状態になります。血栓は血管を詰まらせる危険性があり、脳で詰まると脳組織が壊死し脳梗塞が起こります。


脳梗塞の起こりやすい季節

脳梗塞は体内の水分不足による脱水が原因で、夏に最も起こりやすいというデータがあります(図1)。ちなみに冬も多く、寒さで血圧が上がりやすくなるためといわれています。


図1
図1


糖尿病の方の脳梗塞発生頻度

糖尿病の方は脳梗塞になりやすく、非糖尿病者の2~4倍高頻度です。また、糖尿病患者の半数が高血圧を合併していることから、ラクナ梗塞という細い血管が詰まることで起こる脳梗塞が多発する傾向にあります(糖尿病治療ガイド2020-2021)。


脱水症を防ぐ水分の取り方

・食事以外で1日1~1.2L

・喉が渇く前にこまめに

・糖尿病の方は糖分の高いスポーツドリンクに注意




※水分摂取量については医師にご相談を。カフェインが含まれる飲み物やお酒は利尿作用があるので注意。



新型コロナウイルス予防のためマスクを着けている今は、こまめに水分を摂りにくくなっています。空気が乾燥するこれからの季節も脱水症に気を付けましょう。

  • 2020年7月10日

更新日:2025年2月13日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.9」を発行しました。特集は「新型コロナウイルス感染リスクと糖尿病」と「糖尿病と熱中症の関係」です。是非ご覧ください。


新型コロナウイルス感染リスクと糖尿病

世界で約850万人以上の感染者が出た新型コロナウイルス。

日本でも17,000人以上が感染し、953人が亡くなっています(2020年6月22日時点)。


糖尿病と新型コロナウイルス感染の関連性については多く報道されています。いずれも糖尿病患者であった、28歳の力士 勝武士さんが亡くなったことや、アカデミー賞受賞俳優のトム・ハンクスさんが感染し生死をさまよったことは、記憶に新しいと思います。


新型コロナウイルスと糖尿病の関係性

医学雑誌The New England Journal of Medicineでは、新型コロナウイルス感染で重症化しやすいのは、「高齢(65歳以上)、肺疾患、心疾患、糖尿病、肥満、免疫不全、腎疾患、肝疾患、喫煙など」と挙げています。また、米国疾病予防管理センター(CDC)によると、新型コロナウイルスを罹った肺炎患者のうち、1/3から1/2が糖尿病や高血圧、心臓の病気などの疾患をもっていたことが知られています。


なぜ糖尿病がハイリスクなのか?

世界糖尿病連合(IDF)によると、糖尿病の方は高血糖により、血液の白血球中にある好中球の防御機能が弱まっている状態にあるため、血糖コントロールが良くないと体がウイルスや細菌に対して十分戦えなくなってしまう可能性があるといわれています。


糖尿病患者全員がハイリスクではない!

中国の武漢大学人民病院 Lihua Zhu氏の調査では、2型糖尿病で血糖値が70~180mg/dLの範囲内でコントロールしている患者は、180mg/dLを超えている患者に比べ、新型コロナウイルス感染による死亡リスクを抑えられることが明らかになりました。


こまめな手洗いやうがい、アルコール消毒、3密を避ける、マスクを着用するといった一般的なウイルス予防に加えて、定期的な通院により良好な血糖コントロールを維持することが大切です。糖尿病をよく知り、「正しく恐れて」コロナ感染を予防しましょう。


糖尿病と熱中症の関係

高温多湿の環境に長時間いることで、熱が体内にこもって体温調節機能が狂ったり、大量に発汗して体内の水分・塩分のバランスが崩れたりして起こる症状を「熱中症」といいます。熱中症の初期症状として、めまいや顔のほてり、一時的な失神などがあります。熱中症のサインに気がついたら、重症化させないため早期に適切な処置を行うことが大切です。


糖尿病の方は熱中症になりやすい!?

糖尿病の方が熱中症に特に注意しなければならない理由は、高血糖による脱水症状です。糖尿病で血液中の糖が多くなり過ぎると、腎臓は糖を多量の水分と一緒に尿として排出するようになり、尿の量や回数が増えます。さらに、長年血糖コントロールが悪く神経障害が起こっている方は、暑いときでも汗をかきにくくなって体温調節機能が低下していることがあります。


糖尿病の方の熱中症予防のポイント

・こまめに、のどが渇く前の水分補給

・水分補給には水や麦茶などのノンカフェイン飲料がおすすめ

・利尿作用のあるコーヒーや緑茶、

・アルコール飲料での水分補給は×

・糖質の多いスポーツドリンクでの水分補給は×

・塩あめは大量に汗をかいた時のみ

・一日1~2 Lの水分補給(心・腎機能低下の方は除く)

・起床時、入浴前後、就寝前に水分補給

熱中症環境保健マニュアル2018より改変


マスク着用で熱中症リスク上昇

高温多湿の環境の中でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるため、以下の注意を守りましょう。

・屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずす。

・マスク着用時は、強い負荷の作業や運動は避ける。


今年も厳しい暑さが予想されますが、熱中症と新型コロナウイルス両方の対策をしっかりとして夏を乗り切りましょう。


厚生労働省HPより引用
厚生労働省HPより引用

夏の定番野菜ピーマンの知られざるパワー


赤ピーマンで免疫力UP

ピーマンは通常緑色ですが、他に黄色・赤色のものがあります。それらの違いは「完熟度」です。ピーマンは熟れるにつれて、緑色、黄色、赤色と変化します。


ピーマンのビタミンC・ビタミンEは完熟するほど含有量が増えるため、緑・黄・赤の順で多くなります。また、赤ピーマンのβカロチンは黄ピーマンの4倍以上多く含まれます。ビタミンC、ビタミンE、βカロチンは強い抗酸化作用がるため、老化予防や免疫力を高めることに効果的です。新型コロナウイルスが流行している今、これらの栄養素を多く含む赤ピーマンは、ぜひとも摂っていただきたい野菜です。


日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用
日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

油で効率よく吸収!

ビタミンEとβカロチンは油に溶けやすい性質です。油で炒める、ドレッシングをかけて食べるなど、油と一緒に摂ると、効率的に栄養素を摂ることができます。


わたと種は捨てちゃいけない!?

ピーマンのわたや種に多く含まれるピラジンという匂い成分は、血液サラサラ作用があり、脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化予防効果が期待できます。このピラジンは、ピーマンの果肉に比べてわたや種の方が約10倍多く含まれています。わたや種は食べても問題がないのでそのまま料理に入れてみてはいかがでしょうか。


輪切りで栄養価down

ピーマンの細胞は縦に並んでいるので横へ輪切りにすると、細胞が壊れピーマン特有の匂いが放出されるだけでなくピラジンの効果も低下してしまいます。そのためピーマンを切るときは縦長の細胞を壊さないように縦の包丁を入れるとよいです。


おすすめはカラフル青椒肉絲

ピラジンをしっかり摂れる縦切りで、油を使って炒める青椒肉絲は、最適メニューです。赤・黄ピーマンも使うことで見た目が色鮮やかになるだけでなく、栄養価が高まります。種やわたもそのまま入れて、ぜひ作ってみてください。






  • 2020年5月9日

更新日:2025年2月10日

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.8」を発行しました。特集は糖尿病神経障害の怖さと節酒で疾患リスクを回避しようです。是非ご覧ください。



糖尿病性神経障害の怖さ

糖尿病の方で、「足に違和感がある」「冷感やしびれがある」といった症状をお持ちの方はいませんか。その症状は、糖尿病性神経障害の可能性があります。



糖尿病性神経障害とは

糖尿病三大合併症の一つで、高血糖状態が持続することが原因で起こります。手足のしびれや痛み、下痢や便秘を繰り返す、立ちくらみ、発汗異常、尿が勢いよく出ないなど、さまざまな形で全身に現われます。逆に、触った感覚や痛み、熱さが分からないといった感覚麻痺も起こります。



糖尿病性神経障害はいつ起こるか

個人差はありますが、糖尿病と診断された時期と同じに痛みが起こる方と、糖尿病と診断されてから3~5年の間に痛みが起こる方が多く、6割以上が糖尿病と診断されてから5年以内には、なんらかの症状が起こる可能性があります。



糖尿病性神経障害が起こる仕組み

糖尿病で高血糖状態が続くことにより、ソルビトールという物質が神経細胞に蓄積します。そして神経線維に異常が生じ、感覚麻痺が起こるといわれています。また、高血糖で毛細血管の血流が悪くなるため、神経細胞に必要な酸素や栄養が不足することも原因と考えられています。


「痛みなどの症状を初めて感じた時期(糖尿病と診断されてから~年後)」


シオノギ製薬 知っておきたい糖尿病と痛みHP 参照
シオノギ製薬 知っておきたい糖尿病と痛みHP 参照

糖尿病性神経障害はなぜ怖いか

神経が麻痺して感覚がなくなることにより怪我ややけどをしても気づかず、その傷口が潰瘍や壊疽になることで、最悪の場合その部分を切断しなくてはいけなくなるからです。




……壊疽から足を守る!

壊疽で足切断!

壊疽とは、足などの傷口に細菌が感染して化膿してしまい、さらに皮膚から細胞が死滅し腐ってしまう状態です。


壊疽が部分的であれば削ることが可能で足の切断は免れますが、広範囲となり治療が見込めないほど重篤な場合は、命を守るために足を切断しなければなりません。


現在年間約3000人の糖尿病患者が足を切断しています。また、足潰瘍がある患者の年間の死亡率は2.8%です。5年生存率は潰瘍がない場合は95%であるのに対し、潰瘍があると88%に

下がることがわかります。


これは潰瘍によって死亡リスクが1.77倍に上昇していると言えます。足を切断するほど症状が進行している場合は生命予後が非常に悪いことがわかります。


また、切断した足と反対側の足にも糖尿病足病変を再発しやすく、再度切断するリスクが高くなります。


福岡県糖尿病患者データベース
福岡県糖尿病患者データベース


いますぐできるフットケア

<セルフフットケアのポイント>

①毎日足を観察する

②足を清潔に保つ

③乾燥している場合は、保湿クリームを塗る

④深爪、巻き爪予防のため、爪は切りすぎないようにする

⑤自分の足に合った靴を選ぶ

⑥靴下を履いて、傷から足を守る

⑦やけどに注意する


足を失わないためには

足切断は予後の生活に大きな影響を与えます。足に冷たさを感じたり、しびれたり、感覚が鈍くなったりと足の異常に気づいたらすぐに医師へ相談しましょう。





節酒で疾患リスクを回避しよう!

昔から適度な飲酒には、 ストレスを和らげたり、 リラックスできる効果があると言われています。 お酒のカロリーは 1g あたり 7kcalと比較的高いですが、 アルコール自体は体に脂肪として蓄積されにくい 「エンプティカロリー」 とされています。 ただし、過度な飲酒には食欲増進作用や、 がん ・ 肝疾患 ・ 脂肪肝 ・食道炎 ・ 胃炎 ・ 不眠などのさまざまな健康問題の原因になるので、節度を守った飲酒が大切です。


適度な飲酒は疾患リスクを下げる?

右のグラフでは、 虚血性心疾患・ 脳梗塞 ・ 2 型糖尿病などの疾患は、 お酒を全く飲まない方に比べて、 適度な飲酒がある方の方がリスクが低くなることを示しています。 つまり、 糖尿病といっても禁酒をしなければいけないのではなく、節酒を心がけることで、 糖尿病リスクの低下が期待できるのです。



適度な飲酒とは

1日純アルコールに換算して 20g程度!

・ ビール中瓶 1 本 (500ml)

・ 日本酒 1 合 (180ml)

・ 酎ハイ 7% 1 本 (350ml)

・ ワイングラス 2 杯 (120ml)

・ ウィスキーダブル 1 杯 (60ml)


糖尿病と飲酒量

糖尿病になる原因は、 飲酒以外に糖質の過剰摂取があります。

お酒を選ぶときには糖質量を確認し、 なるべく糖質の少ないお酒を選ぶようにしましょう。



まとめ

過度な飲酒は、 糖尿病 ・ がん ・ 肝疾患 ・ 脳梗塞 ・ 胃炎などの疾患リスクを上げます。特に、 糖尿病の方は血糖値の上昇を防ぐためにも糖質が少ないお酒やおつまみを選ぶ

ことが大切です。 また、 疾患リスクを上げるだけでなく脱水・こむら返り・不眠の原因にもなりますので、 飲酒前後にコップ1 杯の水を飲む、 飲酒後の入浴や寝酒は避けるなどの対策を行いましょう。

これからは多量飲酒をやめる、 「適度な飲酒量」 を守るなど、出来ることから始め、 お酒と上手に付き合いましょう。



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